仕事の疲れでよくある脳疲労とは

仕事で疲れたときに何もするエネルギーが湧いてこなくなったり、考えようとしているのに頭が回らなくなったりすることがあります。
頭だけでなく、体も思うように動かずに困る症状で悩まされるケースもありますが、仕事の疲れでは脳疲労が原因のことが多いです。
脳疲労とは、脳の活動が正常におこなえないほどに大きな疲れが脳に蓄積してしまった状態のことをいいます。
神経生理学や生理学に基づいて、科学的に見るとどのような状態になっているのでしょうか。

脳疲労の状態として典型的なのは、脳の神経伝達物質が枯渇してしまったというものです。
脳の活動は、ドーパミンやエピネフリンなどの神経伝達物質によってコントロールされています。
脳内では神経伝達物質を合成して使用したり、回収して再利用したりしていますが、活動が活発になり過ぎると不足します。
枯渇してしまうと指示を出せなくなり、脳の活動が制限されることになるのです。
また、脳疲労が起こるときには過度の緊張状態が続いたことが原因になる場合もあります。
神経系に過度の緊張状態が続くと脱感作と呼ばれる現象が起こり、神経伝達物質によるコントロールが効かなくなることがあります。
脱感作が起きるとやはり何をしようとしても気力が出ない、エネルギーが足りないという気持ちになりがちです。
このように脳の機能を低下させるような極度の疲労が溜まってしまうのが脳疲労で、現代のストレス社会では仕事の疲れの原因として目立っています。